細部に至るまで使いやすさを追求した製品

カシオの大学生向け2024年春モデル「AZ-SX9810」は、画面表示や入力キーを始めとして細部に至るまで使いやすさを追求した完成度の高いものとなっている。文字を表示するフォントは新しいアウトラインUDフォントを採用し、すっきりして読みやすい。入力するキーも指先に伝わるクリック感があり、素早くタイプしても打ちこぼしがない。シンプルなデザインの筐体は液晶部分の開け閉めも適度な重みがあって堅実な造りだ。毎日の繰り返し使用に耐える製品としての完成度も印象的だ。

高校時代に使っていた電子辞書には載っていない 語彙をカバー

そのコンパクトなボディの中に200ものコンテンツを収めてしまった。とても全ては紹介できないが、英語関係の辞書では、不動の評価を得ている『ジーニアス英和大辞典』『新英和大辞典』『新和英大辞典』『リーダーズ』『リーダーズ・プラス』『英和活用大辞典』と本格的な辞書を収録している。英英辞典ではOxford Dictionary of Englishを中心に、現代英英辞典(OALD)、連語辞典、類語辞典、イディオム辞典、句動詞辞典などが収められており、さらにロングマン現代英英辞典(LDOCE)が収録されている。英文法書として定評のある『ロイヤル英文法』まで入っている。大学モデルに収録されたこうした辞書の特徴は、高校時代に使っていた電子辞書には載っていないような大学の専門科目で学ぶ語彙をカバーしていることだ。例えばレトリックの用語であるasyndeton、polysyndeton、anadiplosisや数字の単位であるnonillion、decillionなどは大辞典の領域だ。また「2年生」を表すsophomoreも大辞典になると興味深い語源情報が示されている。

一気に同一画面上で読み比べ!! 電子辞書ならではの得意技!!

電子辞書ではこうした複数の辞書の記述を一気に同一画面上で読み比べることができる。これは紙の辞書やスマホ辞書には真似のできない電子辞書ならではの得意技だ。また例文検索機能を使えば、収録されている全ての辞書から調べたい単語をもつ例文を一気に検索できる。センタリング機能もカシオならではの便利機能で、調べた語を画面中央に揃えて表示できる。お陰で、冠詞や前置詞などの語の連語関係も一目瞭然、英文作成の際にも確信をもって適切な表現を選ぶことができる。ここにこそ電子辞書を使う価値がある。「ふり返る、内省する」という意味のreflectもよく間違って使われているが、例文検索で調べれば正しい使い方はすぐに分かる。『論文・スピーチの英語表現』辞典も収録されており、英語でレポートや論文を書く場合にも自信をもって正しい表現を書くことができる。

発音トレーニングや英会話スキット・トレーニングにも対応

学習教材として、NHKラジオの『英会話』『入門ビジネス英語』『実践ビジネス英語』『CNN Worksheet』などが入っており、これらはテキストと共に音声も収録されている。CNNでは実際の放送の音声とナレーターによる録音音声の両方を、5段階の速度から選んで再生できる。イヤホンをつないで辞書の蓋を閉めても音声は流れ続けるため、満員電車の中でも英語のリスニングの訓練ができ通学時間を有効活用できる。その他、TOEIC受験に向けた攻略法や模試、そしてボキャブラリー、リスニング、スピーキング、テスト対策のそれぞれの観点で学習プランを示してくれる訓練道場「トレジム」機能も役立つ。発音トレーニングや英会話スキット・トレーニングでは自分の声を録音して、まるでカラオケの採点のように100点満点で評価してくれる。
これで俄然、学習意欲も高まってくる。第二外国語として学ぶ中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語などの辞書は、ダウンロードすることで追加できる。ダウンロードの仕方が分からなくても生協で丁寧に教えてもらえるので安心だ。

圧巻のコンテンツ量!移動図書館の面目躍如!!

英語だけでなく、国語関係の辞書、16か国語の旅行会話、日本史・世界史資料、経済・経営といったビジネス関連資料など、まだまだ多くのコンテンツが収められているが、何よりさらにこの小さなボディに大型の百科事典まで収めてしまったのには驚く。『ブリタニカ国際大百科事典』に加え、日本最大の『日本大百科全書(ニッポニカ)』まで収録している。紙版では何巻にも分かれ、並べると両手を広げたくらいのサイズだったニッポニカが、ここにすっぽり搭載されているのはまさに圧巻、移動図書館の面目躍如だ。今はスマホで気楽に検索してあれこれ調べることはできるが、こうした信頼できる膨大な情報量のレファレンスを、ネット環境を気にせずいつでも手元で使えることは大変ありがたい。普段の勉強や研究だけでなく、就職活動にも、また社会に出てからも役立つだろう。パソコンやスマホを駆使すると同時に、こうした電子辞書ならではの機能を存分に活用して実り多い学生生活を送ってほしい。